アルゼンチン・リオネグロ州の植物に対する「国際遵守証明書取得」に関するお知らせ

お知らせ

2023.08.10

 平田機工株式会社(本社:熊本県熊本市、代表取締役社長:平田雄一郎、以下「当社」)は、現在推進中の「中期経営計画(2022~2024年度)」において、自動車関連設備(EV関連)や半導体関連設備を中心とする既存事業でのビジネス拡大とともに、持続可能な社会の実現に向けた新規事業創出の一つとして、「生物遺伝資源研究関連の事業化」を掲げ取り組んでおります。

 このたび、当社はアルゼンチンとの植物遺伝資源の探索利用のための共同研究開発に基づき、アルゼンチン・リオネグロ州の植物について、生物多様性条約の名古屋議定書にもとづく「国際遵守証明書」(IRCC※1)を取得いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。

Ⅰ.経緯と実状

 当社は、2019年にアルゼンチン国立農牧技術院(INTA)および2020年にインドネシア農業研究開発庁(旧IAARD、現IAAIS)と、植物遺伝資源の探索利用に関する共同研究開発の契約締結をしております。今回、アルゼンチンとの共同研究開発に基づき、当社はリオネグロ州の植物に対するIRCCを取得いたしました。これにより、遺伝資源を提供する国(以下「提供国」)と遺伝資源を研究したい国や企業(以下「利用国・利用企業」)をつなぐ役目を担うことも可能となりました。

Ⅱ.遺伝資源について

 遺伝資源はその国固有の財産であり、許可なく他国がその資源を使用してはならないという考えがあります(ABS※2)。そのため、植物遺伝資源についても、提供国の許可がなければ、利用国・利用企業が持ち出したり、研究したりすることはできません。

Ⅲ.当社のIRCC取得による今後の活動内容

 今回の当社IRCC取得により、アルゼンチン・リオネグロ州において、以下の活動が可能となります。

  ① 研究対象を特定の植物に限定しない地域内の植物遺伝資源へのアプローチ

  ② 提供国と利用国・利用企業様との仲介役として、研究素材の提供や原料の販売

 本事業の展開により、地方における未使用作物や遺伝資源の利開発が進むことで、提供国での雇用創出や新たな農業・園芸生産の開発と輸出、マーケット情報の利用、生物多様性条約下での遺伝資源の持続的利用と保全が進むと想定されます。

 当社は、今後も役員・社員一丸となってIRCCの範囲拡大、新規事業の創出および既存事業の拡大に努めてまいります。

【ご参考】

 IRCCは、日本が加盟している生物多様性条約の名古屋議定書の運用ルールに従った事項です。

※1  IRCC(Internationally Recognized Certificate of Compliance)

国際的に正式な手続きに則って遺伝資源が取得されたことを証明する国際遵守証明書

※2 ABS(Access and Benefit-Sharing)​

遺伝資源の取得の機会(Access)とその利益から生ずる利益の公正かつ衡平な配分(Benefit-Sharing)